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1. 研究室を選ぶにあたって
2. 就職について
3. 研究テーマや内容について
4. 研究室の情報

1. 研究室を選ぶにあたって

自分にあった研究室をみつける

今みなさんは,卒業研究および修士研究、そしてもしかしたら博士研究を行う研究室を探しているところだと思います。研究室には,それぞれ異なる個性を持った教員や学生がいます。誰にとっても良い研究室というのはありません。みなさん自身の希望や傾向と合致したり,うまく折り合える研究室を見つけることが大切です。そのためにwebなどで情報収集をして,研究室紹介に参加し,研究室所属の学生から話を聞いたり,他の研究室の学生から「うわさ」を集めたりしているはずです。みなさんの情報リテラシーを総動員して自分にあう研究室を探してください。もちろん,配属した後に合わないと感じたときには,大学院から研究室を変わることや,途中でも研究室を変わることも可能です。

緩いのに,研究中心?

当研究室は,比較的自由で,人と人の繋がりも緩く,しかし、研究成果をあげている人はものすごい水準で活躍している,比較的研究中心の研究室です。

原則的に全員が博士前期課程(修士課程)に進学します。B4の最後あるいはM1のうちに1−2回学会で研究成果を発表することが一般的です。そして、これまでに所属した学生の半分以上(約2/3)が在学中に海外の国際会議で研究発表をしています。年に2回以上発表した学生も少なくありません。卒論や修論が研究の最終目標では無く、研究成果を世界に発信することを目指しています。

Presentations

生活ペース維持のための毎日ミーティングとゼミ,学生主導の研究ミーティング

2020年度からは平日のお昼に毎日10-20分のオンライン全員ミーティング(mtg)を行っています。これはみなさんの生活のペースを維持することが第一の目的です。火曜日は研究や就職活動の進捗を報告しています。毎週1回、対面でのゼミを行い、輪講,論文紹介,学会で見聞きした研究の紹介,自分の研究発表の練習などをしています。なお,対面ゼミ以外では必ず研究室に居なければいけないコアタイムはありません。ただし、研究室に来て実験をしなければ卒業はできません。

B4の研究mtgは最初は週に1回くらいのペースから始めます。1対1あるいは上級生や他の教員,テーマによっては他大学や海外の研究者も入れて2-4人くらいで行います。今はほとんどオンラインです。研究内容がある程度まとまれば,進捗に合わせて学生主導でmtgの日程を決めて,随時打合せを綿密に行いながら進めていきます。つまり,研究のペースは基本的に学生が自身で決めます。毎週や毎月の進捗レポートの義務はありません。

1つ大切なことがあります。
基礎研究ですので人を対象とする実験をします。仮説を立て,実験結果が仮説と一致するかを確認します。しかし,正しく計画と実験が行われていれば,そこには良い結果や悪い結果,失敗は基本的にありません。結果が仮説に合わなくても,それが真実です。「良い結果が得られないので卒業できない」ということは全くありません。正しい問題設定を行い,妥当な研究計画を立て,厳密に実験を行い,統計解析に基づく論理的な結果の解釈がなされれば,研究としては完結しています。みなさんが卒業できるかどうかは,そのような研究を実施できる技能が身についたかどうか,論理的に考察が行える能力が身についたかに基づきます。結果の如何には関係ありません。したがって,安心して研究を行って下さい。普通にやれば誰でも卒業できます。これは,どの研究室でもそうですので,心に刻んでおいて下さい。

研究者として,生きる

当研究室では,自らの意志で研究をして,大学院に進学し,楽しい学生生活を送りたい学生を望みます。自分の研究を好きになり,楽しいと思い,大学院でその研究を極めて欲しいと思います。一緒に研究して,世界をあっと驚かせる研究がしたいです。研究は義務的にこなすものではありません。そのため指導には厳しいこともあります。もちろん,いい加減な研究姿勢やデータの改ざん,論文の盗用は許されません。

先行研究調査,実験テーマ決定,実験方法立案,データ解析,考察など,教員と学生で1つ1つ確認し,頻繁に打合せしながら進めていきます。自分の考えだけで何も調べずに研究を行うことはできません。しっかり調べ,議論して問題を特定し,常にチェックをしながら前に進みましょう。これまでに卒業研究をした方の中には,指導者から放置され,自分ひとりで研究をするしかなかった方もいるでしょう。本研究室ではそのようなことは決してありません。教員や先輩と一緒に,世界における研究状況を把握し,それを参考として,新しい研究を行います。実験の計画の立て方や,プログラミング,データの取り方などにも決まりや作法があります。勝手に行うと取り返しの付かないことも多いので,特に最初は丁寧に一緒に相談しながら進めます。恥ずかしかったり,遠慮したりして教員や上級生,同級生に相談せずに進めて失敗する学生も多いです。しかし,それをもって叱ったり,不合格にすることはありません。がんばって,質問や相談をして下さい。

一方,自分一人で勝手に研究したい,テーマは自分で全て決めたい,やりたいことしかやりたくない,という人には不向きです。

これまでの知識や研究,実験方法,考え方を身につけ,その上で考えに考えることで新しい問題と研究が発見できます。

企業との共同研究や他大学との共同研究もあり,研究テーマは豊富です。主な共同研究先は,東京大学 稲見昌彦教授,フランスCNRS-LIRMM Ganesh博士,慶應義塾大学 杉本麻樹教授、同志社大学 板倉昭二教授,東京大学 池井寧教授です。 Internship

実験を中心にする研究室ですので,卒業,修了するためには,平均して平日1日あたり6時間程度の研究(実験含む)が必要です。基本的には,大学にある実験設備で実験を行いますが,文献調査やプログラミング,データ解析は自宅で行っている学生もいます。大学にも机やコンピュータは1人1セット用意しますので,自分の傾向に合わせて大学でも自宅でも研究ができます。

研究は,共同作業です。一人で行う孤独な修行では有りません。孤独な修行が好きな人は他の研究室を目指しましょう。プログラミングやVR装置の使い方で分からないことがあれば,30分悩んだりトライしても解決しない場合にはすぐに上級生や教員に聞くようにして下さい。一人で延々と悩むのは研究を進めるためには時間の無駄です(修行としてはありでしょうけど)。プログラミングが得意な人,アルゴリズムが得意な人,ハードウェアに詳しい人,先行研究をたくさん知っている人,アイデアが豊富な人,突飛なことを思いつける人,論理的な思考が得意な人,実験参加者を集めるのが得意な人,統計解析に詳しい人,文章が上手い人,スライドをきれいに作れる人などいろいろな人がいます。全てができるスーパースターになる必要はありません。学生や教員それぞれの優位性を組み合わせて,お互いの弱点を補いあって研究を完成させます。

発表しよう、論文を書こう、博士になろう

研究したら、やはり誰かに聞いてもらいたいですよね。本研究室では、学会で発表することが1つの目標です。そして、「原著論文」を公開することを目指します。研究して、発表して、論文を書く。そして、博士後期課程に進学し、研究者となることもみなさんの選択肢のなかにあります。もちろん、博士後期課程に進学しなくても論文を発表することもできます。

例えば,2022年3月に修士号を取得して、現在博士後期課程1年の中村さんは、国際誌英文論文を筆頭・責任著者で2本、共著で1本刊行し、日本学術振興会DC1特別研究員として給与を得て研究しています。同じく現在博士後期課程1年のハリンさんは、国際誌英文論文を筆頭著者で2本、和文誌論文を共著で1本刊行し、本学フェローシップ学生として給与を得て研究しています。
また、2021年3月に博士号を取得した近藤さんは,2021年4月からはPD特別研究員として慶應義塾大学で働いています。2021年度3月修士号を取得した萩原さんは,M2の夏に国際誌英文原著論文が採録され,その予備的研究で日本バーチャルリアリティ学会第24回大会学術奨励賞を受賞しています。2021年4月からは慶應義塾大学の博士後期課程でロボットを用いた研究をしています。同じく2021年度3月に修士号を取得した長町さんは,日本バーチャルリアリティ学会第25回大会学術奨励賞を受賞し,その研究が2021年12月に国際誌英文原著論文として刊行されました。

研究室における,研究以外のこと

もちろん研究だけではなく,学生主催の懇親会やBBQなどもあり,楽しい学生生活を送ってもらいたいと思っています。研究もひとりでは絶対にできません。協力し合い,切磋琢磨することで前へ進むことが可能となります。
学生による研究室運営の業務(ホームページやネットワークの管理など)はあまり有りません。研究室旅行や懇親会も学生が自分でやりたい時しかしません。

BBQ

2. 就職について

研究室で学ぶ考え方やプレゼンテーション力,国際会議での経験は,企業への就職活動においても活躍します。企業は,海外実務訓練,海外インターンシップ,国際会議や論文を高く評価します。

就職のためのインターンシップや活動を尊重します。それらのスケジュールに合わせた研究実施計画や学会の選択をします。また,研究室でのゼミのなかで先輩から後輩への就職活動の情報共有や指導が行われています。

博士課程進学後は,大学の博士研究員になる人が多いです(電通大,慶應大など)。もちろん,企業への就職も可能です。

修士課程修了での企業就職者は,23年間で約90名です。代表的な就職先は,東芝→ソニー,トヨタ自動車,スズキ自動車、日立,デンソー,北陸電力,ソフトバンク,YAHOO,TIS,JR東日本情報システム,富士XEROX,三菱電機,ニデック,中部電力,パナソニックソリューションズジャパン,カヤック,博報堂アイ・スタジオ,ACCESSなどです。

学部卒業での企業就職者は,23年間で5名です。EIZO,商店系システムSE→LINEなどです。

3. 研究テーマや内容について

研究テーマは,実施しているプロジェクトや本人の興味に合わせて相談して決定します。

現在行われている研究については,以下が参考になります。
KVPL 最近の研究プロジェクト
自在化身体の身体所有感,行為主体感,行動変容(日本ロボット学会誌 2021年10月)
JST-ERATO 稲見自在化身体プロジェクト:「身体観のアップデート」のために(基礎心理学研究 2020年3月)
バーチャルリアリティにおける共有身体の運動特性を解明(EurekAlert! 2020年11月)
全身所有感は身体各部位の所有感の単なる合計ではない(EurekAlert! 2020年3月)
右手の親指を左腕に変換する(EurekAlert! 2020年3月)
透明人間は身体所有感を感じるか?(EurekAlert! 2018年5月)
人はロボットにも共感する(EurekAlert! 2015年11月)

4. 研究室の情報

研究室WEBにさまざまな情報があります。メンバー,論文,報道なども見てみて下さい。
研究室の日常や学会発表の様子についてはFacebookでも紹介しています:研究室の日常//Facebook page

研究室は,2023年現在,F1-104, 総研302, 303, 402, 403, 404, 405と7部屋あります。

実験装置としては,以下のようなものがあります。
光学式モーションキャプチャシステム:VICON 12カメラシステム(総研405室),Optitrack Primex22 12カメラシステム(総研402室),Optitrack Primex13W 12カメラシステム(総研302室),Optitrack Flex3 12カメラシステム,Kinect Azure 2台など
装着型モーションキャプチャシステム:Shadow 2セット,Perception Neuron 2セット,MANUS PrimeⅡ Haptic 2セットなど
頭部搭載型ディスプレイ: HTC Vive Pro Eye 16台, Vive Pro 3台,Vive Pro Tobii 2台,Vive 4台,Cosmos 2台,Oculus Rift S 2台、Valve Index 2台、Varjo XR-3 1台、Varjo Aero 2台など多数
生体計測装置: Biopac 2名同時記録可能 2セット
360度カメラ: Insta360 Pro 2, Theta Z1など
眼球運動計測器: Tobii Pro グラス3

その他,3Dプリンタ,研究開発用電動車椅子,基礎実験用暗室6セットなど思いつく実験はなんでもできます。

Motion Capture Room 1

Motion Capture Room 2