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豊橋技術科学大学 情報知能工学系  
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研究テーマ

 ヒトの知覚,認知,社会性について,心理物理学的手法,認知神経学,バーチャルリアリティ(VR),発達心理学の方法を組み合わせて,科学的に解明することを目指しています。

 
モバイル・オブザーバーの科学

 ヒトは視覚,前庭感覚,聴覚,触覚などさまざまな情報から自分自身の運動や位置,傾きを知覚して,それを行動に利用しています。車の運転は,まさにその究極の例です。そこで,視覚刺激(スクリーンに動画を投影)や前庭刺激(可動椅子,前庭電気刺激),聴覚刺激,触覚刺激などを提示し,ヒトの自己運動の知覚や姿勢制御を調べています。成人のみならず,こどもを対象とした知覚行動発達の研究も行っています。また。視覚心理物理実験に最適化したドライビングシミュレータを開発し,ステアリング操作における知覚・認知情報処理の解明と工学的応用を行っています。

Driving Simulator

代表的成果:
Kitazaki, M. (2013), Effects of retinal position on visuo-motor adaptation of visual stability in a virtual environment, i-Perception, 4(4), 242-252.
 視覚・運動協応による視野安定の知覚が短時間で順応することをVRを用いて示した。
Tani, Y., Araki, K., Nagai, T., Koida, K., Nakauchi, S. and Kitazaki, M. (2013), Enhancement of glossiness perception by retinal-image motion: additional effect of head-yoked motion parallax, PLOS ONE, 8(1): e54549.
 物体運動や自己運動が光沢感の知覚に貢献することを示した。
Kawahara, J., Yanase, K., and Kitazaki, M. (2012), Attentional capture by the onset and offset of motion signals outside the spatial focus of attention, Journal of Vision, 12(12): 10.
 拡大するオプティックフローは無視しても注意を引いてしまうことを示した。
Kitazaki, M. and Kimura, T. (2010), Effects of long-term adaptation to sway-yoked visual motion and galvanic vestibular stimulation on visual and vestibular control of posture, Presence: Teleoperators and Virtual Environments, 19(6), 544-556.
 視覚と前庭感覚による姿勢制御が7日間の順応で変化する子とを示した。
Kitazaki, M. and Sato, T. (2003), Attentional modulation of self-motion perception, Perception, 32, 475-484.
 視覚誘導性自己運動知覚(ベクション)が注意を向けない運動によって決定されることを示した。

キーワード: 自己運動知覚,オプティカルフロー,前庭電気刺激,知覚行動発達,ドライビングシミュレータ

 
知覚的リアリティの科学

 リアルと感じられるのはなぜなのか,なにをリアルと感じるのか,リアルであることが知覚と行動にどのような影響を及ぼすのか,そして,リアリティはどうやって測定したらいいのか,ということを解明するために,主に心理物理学的手法を用いて知覚・認知実験を行っています。質感や美しさの知覚,身体ポーズと動作の自然さ・不気味さ,複合感覚統合,テレプレゼンス追体験,身体拡張などの研究を行っています。

代表的成果:
Nagai, T., Matsushima, T., Koida, K., Tani, Y., Kitazaki, M., and Nakauchi, S. (2015), Temporal properties of material categorization and material rating: visual vs non-visual material features. Vision Research, 115B, 259-270.
 質感認知の時間的経過を視覚的特徴と視覚非依存特徴の違いに着目して明らかにした。
Tani, Y. Nagai, T., Koida, K., Kitazaki, M. and Nakauchi, S. (2014), Experts and novices use the same factors, but differently: To evaluate pearl quality, PLOS ONE,9(1): e86400. doi:10.1371/journal.pone.0086400
 真珠の評価について素人と専門家の同異を明らかにした。
Morita, T., Slaughter, V., Katayama, N., Kitazaki, M., Kakigi, R. and Itakura, S. (2012), Infant and adult perceptions of possible and impossible body movements: An eye-tracking study, Journal of Experimental Child Psychology,113,401-414.
 乳児も人の身体動作の可能・不可能の識別をすることを眼球運動計測で示した。
Kitazaki, M., Kobiki, H., and Maloney, L. T. (2008), Effect of pictorial depth cues, binocular disparity cues and motion parallax depth cues on lightness perception in three-dimensional virtual scenes, PLoS ONE, 3(9): e3177. doi:10.1371/journal.pone.0003177.
 明るさの知覚における照明の考慮をVRで調べ両眼視差と運動視差の貢献を明らかにした。

キーワード: 身体ポーズと動作,身体性,バーチャルリアリティ,クロスモダリティ

 
潜在的社会性の科学

 私たちは知らず知らずのうちに他者とコミュニケーションをしており,社会的コミュニケーションに基づいた知覚を潜在的に行っています。そこで媒介となっているのは身体です。この身体から生じる潜在的社会性に関して,身体知覚,共感の認知神経科学,公平感の認知神経科学の研究を行っています。特に,前言語期の乳児が同情を示すことや人はロボットにも共感を示すことを発見しました。

代表的成果:
Suzuki, Y., Galli, L., Ikeda, A., Itakura, S. and Kitazaki, M. (2015). Measuring empathy for human and robot hand pain using electroencephalography. Scientific Reports, 5:15924; doi: 10.1038/srep15924
 人は他者だけでなくロボットにも共感を示すことを脳波(事象関連電位)で証明した。
和文プレスリリース, 英文プレスリリース
報道抜粋: Newsweek  Wired UK   Huffpost Science Dailymail UK Motherboad 

Kanakogi, Y., Okumura, Y., Inoue, Y., Kitazaki, M., and Itakura, S. (2013), Rudimentary sympathy in preverbal infants: Preference for others in distress, PLOS ONE, 8(6): e65292.
 前言語期の乳児が苦境にある弱者に同情を示すことを行動実験で示した。
和文プレスリリース(京都大学), 英文プレスリリース
報道抜粋: マイナビ  中日新聞   産経新聞 日経新聞 
Tamura, T., Gunji, A., Takeichi, H., Shigemasu, H., Inagaki, M., Kaga, M., and Kitazaki, M. (2012), Audio-vocal monitoring system revealed by mu-rhythm activity, Frontiers in Psychology, 3:225. doi:10.3389/fpsyg.2012.00225.
 発話および黙読で同じ脳活動(ERD,ミューリズム)が生じることを示した。

板倉昭二,北崎充晃(2013)(編著),ロボットを通して探る子どもの心:ディベロップメンタル・サイバネティクスの挑戦,ミネルヴァ書房, ISBN 9784623067442

キーワード: 社会性,身体認知,共感,公平感,モラル