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豊橋技術科学大学 情報知能工学系  
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心理物理学的アプローチ

心理物理学:「心理」を「測る」?

 心理的なものを数量的に測定しようとする方法論.
 実際には,物理量(刺激量)を実験的に操作して,被験者の心理的な反応(心理量)を記録する.反応としては,正答率,主観的推定,反応時間等がある.横軸に物理量(刺激量),縦軸に心理量をとるグラフの曲線を「心理測定曲線」(Psychometric Function)という.縦軸に正答率をとった場合,正答率が75%になる刺激量を「閾値」とする.心理物理学的アプローチでは,刺激の特性を操作し,それに随伴する反応の変化を記録することによって,その視知覚反応にとって重要な刺激特性あるいは条件を探索する.または,計算論アプローチによって考察された「自然制約条件」の妥当性や,その自然制約条件を用いたアルゴリズムの妥当性を検証することを目指す.データが定量的に得られるために,計算理論アプローチとの親和性が高い.

実際には,どうやって調べる?
 ある変数を操作する(独立変数)ことによって錯視が生じたり,消失したり(従属変数)するなら,その変数が重要だということがわかる.
例えば,
垂直水平錯視
逆T字をみると,垂直線の方が水平線よりも長く見える.
ブントは,これを眼球運動のせいと考えた.
しかし,網膜残像(=網膜上に定位するので眼球運動の影響が全くない)でも錯視が生じることから,この説を排除した.


実際には,どうやって研究を進める?
探索的研究と仮説検証的研究
 むやみやたらに操作変数(物理量)を変化させ被験者の反応を記録するのが,探索的研究といえる.一方,(特に,計算理論的な)仮説を立てて,それを検証するような実験を行うのが,仮説検証的研究といえる.厳密にどちらか一方のみを行うというのがひとつの選択肢であるが,これらの折衷案もある.それは,探索段階と検証段階を交互に行う研究方針である.探索段階においては,様々な変数を操作したデモンストレーション,実験等を行い,どの変数が重要そうなのかあるいは影響がありそうなのか,あたりをつける.そうして得られた変数を元に仮説を立て,次にそれを検証するような実験および統制実験を行う.そこであらたな疑問が生じれば,探索研究を行い,また変数のあたりをつける.