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豊橋技術科学大学 情報知能工学系  
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基本用語

abstract(アブストラクト)

論文などの最初や最後にある要約のこと.PubMedなどでの検索の際にも見られる.これを読めば,全体的に何をやっているのかはわかるはずです.

V-sync(ヴイ・シンク)
垂直同期信号のこと.refreshともいう.コンピュータなどの画面は,ある速度で一枚一枚書き換えられている.この書き換えの同期のこと.視覚刺激を提示するときには,この同期に合わせて,絵を出す.そうしないと,絵がちらちらしたり,途中で書き変わったりする.

subject(サブジェクト)
研究論文の場合には,被験者・被験体のこと.ただし,最近ではヒトを対象とする場合には,volunteerという言葉を使う傾向にある.

resume(レジュメ)
要約のこと.内容を図式的にまとめたメモのようなものでもいい.

PDF(ピ-・ディ・エフ)
コンピュータソフトのAdobe Acrobat Readerのフォーマットのこと.internetなどで文書を配布するときの標準.ScienceDirectなどのonline Journalでは,この形式で論文を入手することができる.

translation(トランスレーション)
時空間知覚系の論文では,翻訳ではなく,並進(平行移動)という意味です.つまり,xyz座標における位置変化です.

discrimination(ディスクリミネーション)
弁別.区別することです.あるもの・状態とべつのもの・状態を区別すること.どれくらいの小さな違いでも区別できるのかを調べるのが弁別課題です.

cue(キュー)
手がかり.例えば,両眼視差,運動,大きさの違い,明るさなど,それによって奥行きを知覚させるものを奥行きの手がかりといいます.

performance(パフォーマンス)
人間がある課題を行ったときの成績を指します.実行した結果,特に定量的な結果です.

eccentricity(エキセントリシティ)
retinalとつく場合が多いですが,そのような場合には,偏心度のことです.人間はある一カ所を注視します.そのさい,見つめている中心から対象までの網膜上の距離を偏心度といいます.これが大きいほど,視野の周辺にあるということです.

fovea,periphery(フォービア,ペリフェリー)
偏心度が0あるいはそのあたりをfovea(中心窩,中心視野)といいます.視野の中心です.それに対して大きい偏心度のあたりをperiphery(周辺視野)といいます.

a priori, a posteriori(ア・プリオリ,ア・ポステリオリ)
たいてい,斜体になっている.なぜならラテン語由来だから.
a prioriは,先験的にとか,もともととか,はじめからとか,そういう意味.かたかなでアプリオリにとかいったりもします.つまり,その他の条件や理由なしに,そうなるということです.また,prior probabilityは,ある事象の事前確率(その単独事象が単独に生じる確率)のことです.
a posterioriは,その反対.帰納的にとか,後天的にとか,なにか理由があって,その流れで,決定しているというような意味です.

vice versa(バイス・バーサ)
たいてい,斜体になっている.なぜならラテン語由来だから.
反対に,とか文の最後について,(直前の文の)逆も同じという意味です.

et al.(エト・アル)
たいてい,斜体になっている.なぜならラテン語由来だから.
Kitazaki et al. (2020)とか書いてあれば,例えば,Kitazaki, Katazaki, & Kutazaki (2020)のように3人以上の著者がいる論文を指すときに2人目以降を省略したものを指す.訳としては,「他」というのを使う.Kitazaki他(2020)のように.

cf.(コンペア)
比較対象の直前につける.~と比較して という意味.

e.g.(イージー,あるいはフォーエグザンプル)
同類の例を挙げるのに使う.例えば~ という意味.

incidental(インシデンタル)
偶然的な,偶発的なという意味.普通に,偶然にという意味の場合もあるが,記憶に関する論文などでincidentalと言った場合には,「記憶しなさい」という明示的な課題でなく,ただ提示したり,他の課題(美しさの判断)とかをさせて,偶発的に記憶に影響が生じることを意味することが多い.つまり,明示的にしめした課題と偶発的(副次的)に別のイベントが生じることをincidentalという.

artificial(アーティフィシアル)
芸術的なという意味はない.人工的なという意味.AIは,artificial intelligenceで人工知能.

artifact(アーチファクト)
科学論文においては,人工物ではなく,別の要因によって生じた間違った結果・現象のこと.「この結果は,~によるアーチファクトの可能性がある」などと使用する.したがって,なにか他の要因の可能性がある場合にしか使わない.単に結果が出ないとか理解できないときに,アーチファクトとはいえません.

transient system, sustained system(トランジエント・システム,サステインド・システム)
transientは,過渡系,sustainedは定常系などと和訳する.過渡系は,時間的に短いあるいは時間周波数の高いシステムのことであり,定常系はその逆.その代わりに,空間的特性は,前者が低く,後者が高いことが多い.

ceiling effect, floor effect(シーリング・エフェクト,フロアー・エフェクト)
ceilingは天井効果,floorは床効果.心理物理実験では,物理変数(輝度や細かさなど)を操作して,それに対する人間の反応を測定するが,あまりに簡単すぎる場合には,全ての物理変数において,成績が最高に達してしまい,差が見られない.このような場合を天井効果という.床効果は,その逆で,難しすぎるために,成績が限りなく下がってしまい差がないことをいう.このように,物理変数の範囲の選び方によって,本当に人間のパフォーマンスに差がないのか,変数の範囲に差がないのかが不明になってしまう.これを避けるために,予備実験を行い,適切な刺激の範囲を設定する.これを,実験の最適化という.

task(タスク)
仕事ではなく,実験の課題(被験者がするべきこと)を示すことが多い.

trial(トライアル)
試しではなく,実験の1回の「試行」のこと.普通は,刺激+反応のセット1回を1試行という.この試行が何回かで1つのセッションあるいはブロックを構成する.

image(イメージ)
一般には,画像のこと.物理的な2D画像のこと.あるいは,網膜に投影される視覚入力の物理特性のこと.つまり,なんら人間の側の特性や視覚処理はここには含まれていない.なお,image intensitiesは,画像強度.網膜像は物理的には明暗の点の集まりにすぎない.その明暗の強度のことである.
一方,日本語のイメージ(人間が心の中にもつ像のこと)は,imageryに対応する.これが,心的回転(メンタルローテンション)で問題となるイメージ問題のイメージである.

visual(ヴィジュアル)
視覚的なという形容詞.こちらは,人間の視覚特性と何らかの関係がある,あるいは視覚処理系にとっての対象である場合につかう.

extra-retina(エクストラレチナル)
網膜外のという形容詞.一般には,extra-retina informationと使われ,網膜像情報以外の情報を差す.ほとんどの場合には,眼球運動に関する眼筋からの固有受容感覚や眼筋への運動指令の情報のことである.視覚以外の情報といっても良いかもしれない.むしろ運動(motor)情報のことである.

proprioceptive(プロウプリオセプティブ)
固有受容感覚の.その感覚器自身から帰ってくる感覚情報で自己の状態を知覚すること.特に,筋肉細胞の場合に使用され,その筋細胞への命令情報と対比される.

motor, motion, action(モーター,モーション,アクション)
motorは,筋肉運動のこと.生理学的な意味合いが強い.身体の運動に関する事柄をさすことが多い.
motionは,外の世界にある運動を示すことが多い.あるいは,一番広い意味をもつ運動.視覚に提示された運動成分や,自分の身体の移動していくこと,外界の物体の運動などを意味する.
actionは,motionよりもmotorに近く,身体運動を示すことが多いが,より大きな意味で,実際に身体を運動させることを意味する.

empirical(エンピリカル)
経験的なという形容詞だが,実証的なという意味の場合も多い.生得的なことと対照的に使われる場合には,経験的なという意味になり,研究全体や実験をさす場合には,実証的なという意味である.empirical observationなら,実証的観察,つまり実験結果のことである.

finding,found(ファインディング,ファウンド)
findingは,知見と訳すことが多い.実験によって得られた結果としての事実である.その実験・研究によって客観的に示された事実であるので,過去形で用いられる.従って,文章では,We found thatのあとの結果を述べる.

suggestion,suggest(サジェスション,サジェスト)
提案の意味であるが,論文おいては,foundで事実の確認をした後に,先行研究や仮説に基づいて行われた考察を述べるときに用いる.ここには,研究者の主観がいくぶん入っても良い.日本語では,~と示唆されたというのに対応する.

frontoparallel planes(フロントパラレル・プレーン)
前額平行面.顔と平行な面のことである.つまり,観察者に対して正対して正面に広がる面をさす.

review(レヴュー)
概説論文のこと.

condition(コンディッション)
実験条件のことを示すことが多い.

robust(ロバスト)
頑健性.内乱や外乱に対して,結果があまり変化しないこと.

judge(ジャッジ)
判断.判別(discrimination)ではない.判別よりも広い意味で,何かの判断を下すこと.被験者の課題における判断一般をさす.

frame(フレーム)
枠のことではあるが,運動視や運動からの構造復元の文脈では,継時的な連続の中の1コマのことである.